抄録
近年のコンピュータの進歩にともない、化学の分野においては日々多くの数値データが蓄積されている。そして、これらのデータから効率的に意味のある知識を抽出するために、多くのケモメトリックス手法が開発、提案されている。通常これらのデータは多次元/多変量であり、従来の統計ソフトウェアでは扱うのが困難であった。そこで、本研究ではこれらのデータを直接扱うことを目的とした、多次元データモデリングソフトウェアの開発を行った。本ソフトウェアを用いることにより、多次元の数値データを用いた解析が可能となる。ユーザは散布図、棒グラフ、折れ線グラフなどの様々なグラフを描くことによって、データの構造を視覚的に捉えることができる。また、Multi-way PLS法やKohonenニューラルネットワークといったモデリング手法を用いて、より詳細な解析を行うことが可能である。