Journal of Computer Chemistry, Japan
Online ISSN : 1347-3824
Print ISSN : 1347-1767
ISSN-L : 1347-1767
研究論文
ナノ秒のMDシミュレーションから求めたペプチド二次構造の確率予測―三角マップ表示した%スティッキネス法の有用性
村山 真一吉田 昼也青山 崇浦田 賢西垣 功一
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 5 巻 4 号 p. 213-218

詳細
抄録

ペプチドのナノ秒(ns)分子動力学計算(MD)では、安定構造を得るのには遙かに不十分な計算時間であることが分かっている。にもかかわらず、新たに導入した%スティッキネスの三角マップ表示(TMR-%σ)によって、安定構造に含まれる二次構造(特にαヘリックス)のおぼろげな像が得られることが示された。%スティッキネスとは、生体高分子の動的なコンフォメーション変化を記述する目的で以前に導入された指標である。TMR-%σ表示において、ペプチド形成傾向は、マップ上にαヘリックス固有の相互作用を示すシフトした対角線ラインとして現れた。ns-MDの結果から計算されたペプチドの%σと旋回半径(Rg)の座標プロットから、ペプチドの二次構造予測に関する確率マトリクスを導出できることが示された。

著者関連情報
© 2006 日本コンピュータ化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top