Journal of Computer Chemistry, Japan
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水素分子クラスターの量子構造ゆらぎ
三浦 伸一
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論文ID: 2016-0021

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抄録

水素分子はその質量の軽さから原子核の量子効果が大きく,水素分子クラスターの基底状態を考える上で重要な役割を果たしている.クラスター(H2)13を例にとり,単純な調和近似は破綻し,その波動関数は配位空間の中でエネルギー最安定構造を含む幾つかの極小構造をカバーする領域にまで非局在化していることを示した.また比較的小さいクラスター(N ≤ 20)に対して,化学ポテンシャルに相当する量μNを計算し,核の量子効果を完全に取り入れた場合は,N = 13のクラスターは魔法数と呼んでもよい安定な状態をとっている一方で,古典近似の際に見られたN = 7, 19におけるμNの極小は量子力学的な運動エネルギーにより消失することを示した.

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© 2016 日本コンピュータ化学会
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