2024 年 12 巻 p. 41-51
倫理コンサルテーション(以下,倫理コンサル)は多職種で議論すること自体に意味があるが,同一事例を異なる病院で議論した結果得られた合意内容に類似性があるのか否かについて今まで検討されていない。異なる病院の倫理コンサルであっても,解決策の方向性がある一定の幅の中に入るものでなければ,倫理コンサル自体の意義に疑問が生じる可能性が出てくると思われる。そこで本研究では,倫理コンサルの経験を有する全国12の病院の倫理コンサルにおいて2つの共通模擬事例を検討し,その合意内容を質的に分析し病院間で比較検討した。結果は,多くの病院で患者・家族との関係性構築を重要視し,それに基づいて患者の意思・推定意思を探り,その後の最善の方針を検討していた。2事例ともに患者の意思・推定意思が不明確ななかで,生命の維持と質を重視していると考えられ,細かな点では病院間で違いを認めたものの,その合意内容には一定の類似性が認められた。