臨床倫理
Online ISSN : 2435-0621
Print ISSN : 2187-6134
原著論文
看護師によるスピリチュアルケアの実践を測定する尺度の妥当性と信頼性の検討
實金 栄橋本 優井上 かおり梅本 愛実笠松 奈央小薮 智子白岩 千恵子岡本 宣雄竹田 恵子
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 6 巻 p. 18-31

詳細
抄録

 本研究は日本の看護師を対象に,スピリチュアルケアの実践指標(nurses’ spiritual care practices;NSCP)を開発し,その実践指標の尺度としての妥当性と信頼性を検討することを目的とした。対象は日本の看護師1,058人。尺度の妥当性は,前提となるケア,信じる・共にいる,協働,存在探求へのケアの4因子を一次因子,スピリチュアルケアを二次因子とするモデルを仮定し,このモデルの構成概念妥当性を検討した。さらに道徳的感受性との関連で併存的妥当性,ヒューマンケアとの関連で収束的妥当性を検討した。分析の結果,構成概念妥当性,併存的妥当性および収束的妥当性は検証された。NSCPにより測定された看護師のスピリチュアルケア実践は,存在探求へのケアが最も低く,この実践力向上が課題と考えられた。そのため,看護師自身がスピリチュアルケアに向き合うことへの覚悟を支える支援が求められる。

著者関連情報
© 2018 日本臨床倫理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top