2024 年 9 巻 2 号 p. 155-161
大学生女子陸上競技選手を対象に1シーズンに自己最高記録(PB)を更新した選手と更新しなかった選手の身体組成の変化の違いを明らかにすることとした.1年間のうち合計3回の二重エネルギーエックス線吸収法計測を行い,シーズンベスト(SB)前後の身体組成値の変化をPB更新群と非PB更新群で比較した.PB更新群と非PB更新群ですべての項目に統計学的差はなかったが,PB更新群において全身脂肪量が高値であった.また,全身除脂肪量はSB前後で主効果がみられ,PB更新の有無にかかわらずSBを出す前の測定値が有意に高かった(p=0.002).体組成を参照するうえで,全身除脂肪量だけでなく全身脂肪量に対しても考慮する必要性が示唆された.