抄録
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断では,終夜睡眠ポリグラフ(PSG)記録から無呼吸区間と脳波覚醒反応の検出が重要であるが,この視察判定作業は多くの労力を要する.本研究では,PSG記録中の無呼吸区間を,明瞭なものと疑わしいものの2段階で識別する方法を開発した.無呼吸区間の視察判定要領を考慮し,パラメータと判定式を構築した.8名のSAS患者のPSG記録に対する自動判定結果は,視察において判定に悩むものの多くを,疑わしい無呼吸区間として抽出できた.本方法による判定結果を利用することで,注意深く判定すべき箇所を中心とした視察判定が可能となり,作業の負担軽減や効率化が実現されるものと考えられる.