抄録
(Bi, Pb)-2223相単結晶の超電導性に及ぼす酸素アニールによる影響を調べた。試料はKClフラックス法で作製しており、Biサイトの15%がPbにより置換されている。試料は作成後、熱処理を行わなかったものと、1, 3, 10気圧で酸素アニール(350℃, 48時間)をしたもの、1気圧で窒素アニール(350 または 450℃, 48時間)をしたものを用意した。全ての試料について200 MeVのエネルギーのAuイオンをc軸と平行に照射して柱状欠陥を導入し、臨界電流密度を測定した。この結果を解析し、凝縮エネルギー密度を定量的に評価した結果、1気圧で酸素アニールした試料が最も高い値を取った。