抄録
Cu2ZnSnS4薄膜太陽電池は、バンドギャップが約1.45eVの直接遷移形半導体であり,大きな光吸収係数をもつことから高効率な薄膜太陽電池の光吸収層として有望視されている。また、SeやCdのような有毒元素ならびにInやGaのような希少元素を用いないため、他の化合物系太陽電池に比べ環境面とコスト面で優れている。今回、石英ガラス基板上に、Cu、Zn、Sn、Sを同時多源蒸着法により、基板温度を400~600oCに変化させてCu2ZnSnS4薄膜を作製し、評価した。さらに、作製した薄膜を用いて太陽電池を試作した結果、開放電圧Voc=350mVを得ることが出来た。