抄録
近年,組込みソフトに広く導入されているリアルタイムOS(以下,RTOS)には,タスクスイッチ時にオーバーヘッドを発生し,プログラムの処理効率を低下させる問題がある. このオーバーヘッドの最大の要因は,RTOSによって行われるスケジューリング等の切換え手続きである. そこで,本稿では,サービスコール内で使用されているタスクスイッチの中核となる関数をユーザプログラム側から直接呼ぶことで,切り替え手続きを省略し,低オーバーヘッド化を図った結果について述べる.また,この結果起こるRTOSが管理するタスク情報の矛盾を回避するための手法を示す.