主催: 電気関係学会九州支部連合会
高齢者音声の聴感的特徴である「減り張りのない声」に着目し、減り張りと相関のあるスペクトル遷移について検討した。
先行研究として減り張りのない声は、音素間のスペクトルの動きが小さくなる事は分かっている。本研究では、スペクトル遷移を表現する特徴量として音素中心間のスペクトル変化(遷移量)と単位時間の変化量(遷移速度)を検討した。
高齢者は調音器官の衰えが顕著であるから、話速により調音器官の動きは影響されやすいと考え、これらの特徴量と話速との相関を調べた。その結果、話速が遅いとスペクトル遷移量は大きくなるが、
スペクトル遷移速度は話速によらず、減り張りと相関の強い特徴である事が分かった。