抄録
乳がんの早期発見のため,病変部位から出る匂い物質を検出する方法が検討されている。本研究では,このような目的を目指して匂いセンサの研究をしている。本研究で使用する匂いセンサは,感度を向上させるために高周波数水晶振動子を用いた。匂い物質の検出は,質量の変化に伴う振動子の周波数変化で検出する。匂いセンサは,振動子の電極にPAH,シリカ粒子,Tsppが立体構造になった匂い吸着膜を積層することで実現した。マスフローコントローラでアンモニアガスの濃度,流量をコントロールし,センサの感度を評価した。試作したセンサは,ppmレベルの低濃度のアンモニアガスに十分な感度を持つことが確認できた。