抄録
近年、野生動物の生態調査では測位精度や観測密度の向上のためにGPS受信機を内蔵したGPS首輪が使用されるようになって来ている。しかし、これまでは搭載した分離装置や衛星通信機器により消費電流及び重量が大きいという特徴があり、長期間の観測は大型獣類にのみに限られてきた。本研究では、特定小電力無線機の一種であるZigBeeとGPS受信機を組み合わせ、安価で高精度な測位が可能で長期間稼動する中小型獣類に対応したテレメトリシステムの開発を目標として研究を行ってきた。森林中での無線通信試験結果や必要とされる電力の面からシステム構築についての実現性を確認した。