抄録
今日、世界最小の検出分解能を有する磁界センサはSQUIDである。しかし、このセンサには極低温が必要であり、可搬性や操作性に欠けるなどの問題がある。そこで、SQUIDと同程度の分解能を有し、汎用性に富み、常温動作型磁界センサの開発が望まれている。そこで筆者らは、磁心型の直流バイアス差動方式磁界センサを開発し、高感度・高分解能化について検討してきた。検討するセンサを高感度・高分解能化するためには、最適励振条件を与えればよい。これに対して、磁心に施した巻線のインダクタンスと巻線の分布容量との並列共振特性を積極的に用いている。本稿では、センサの共振特性と周囲温度との関係を実験的に検討した。