抄録
近年、埋込型永久磁石同期電動機(IPMSM)のセンサレス駆動の要求に伴い始動のための回転子初期位置推定が報告されている。本稿では、回転子初期位置推定法としてまず固定子巻線に空間ベクトル変調で求めた電圧ベクトルを10度とびに0.1ms間電圧インバータを介して印加し、3相固定子巻線電流をα‐β巻線に2相変換し、この2つの電流の関係から回転子初期位置を求める。次に、周波数4kHzの回転磁界を回転子初期位置に印加し、3相固定子巻線電流をd‐q巻線に変換し、d軸電流の変化を調べることで極性を判別する。これらの方法について、回転子初期位置推定を計算により行ったのでその結果を報告する。