抄録
磁気的免疫検査法において、磁気マーカーの持つ磁気モーメントmとマーカー粒子径dの関係(m-d特性)は重要である。マーカーが単磁区粒子であると仮定すると、mはdの3乗に比例する。マーカーの粒子径は分布しているので、抗原と結合したそれぞれの磁気マーカーから検出される磁気信号には大きな差が生じることになり、定量的な免疫検査は困難となる。そこで、私達はマーカーのm-d特性を調べた。結果は、mはdの3乗には比例しておらず、粒子径が分布していても定量的な免疫検査が行えることを確認した。そして、そのマーカーを用いて免疫検査を行った所、7x10<sup>-18</sup> mol/mlのビオチンを検出できた。