抄録
筆者らの研究室では,固定子電圧に高周波信号を重畳することにより,低速でも固定子電流中に強く現れるスロット高調波をフィルタを用いて検出,速度推定し,低速領域におけるセンサレスベクトル制御の実現を目指している。このシステムにおいて,スロット高調波の周波数は回転子速度に応じて変化するため,スロット高調波検出用のフィルタのカットオフ周波数をリアルタイムで変更する必要がある。本稿では,これまでに使用してきたディジタルフィルタの特性と運転可能範囲について比較・検討を行った。また,それぞれのフィルタを用いた場合の速度センサレス運転の結果を報告する。