抄録
カーボンナノチューブ (CNT) ガスセンサでは、ガスに反応性を示すのは半導体CNTのみである。そのため、半導体CNTを選択的に濃縮してセンサを作製すれば感度の向上が期待できる。著者らはこれまでにスピンカラムクロマトグラフィー法によって半導体CNTの分離・濃縮を行い、それらを誘電泳動集積することで、約5倍の感度向上に成功した。しかし、この手法では半導体CNTを溶出する際に界面活性剤を使用する必要があり、その界面活性剤がCNTへのガス分子の吸着を妨げている可能性がある。そこで本研究では、界面活性剤がCNTガスセンサの応答に与える影響を調査し、CNTガスセンサの更なる感度向上について検討した。