抄録
近年の無線通信には様々な周波数帯域が用いられており,またプロセスの微細化に伴いアナログ制御が困難となってきている.リング型発振器は,LC型発振器に比べ広い周波数可変範囲を持ち,キャパシタやインダクタを必要としないため,占有面積を小さくできる.プロセスの微細化やマルチバンドの需要拡大に伴い,リング型発振器の重要性はますます高まると予想される. 本研究では,0.18μmCMOSプロセスを用いた15ビットのディジタル制御リング型発振器(DCO)の設計を行った.フィードフォワードテクニックと負性抵抗を用いて各段の遅延を削減し,またディジタル制御を行うことで,トランジスタが飽和領域で駆動するのを防ぎ,位相雑音の改善を検証した.