抄録
近年無線通信機器において低消費電力化の需要は非常に高まってきている。無線通信機器におけるアナログフロントエンド部において周波数変換の役割を果たすミキサもまた電力消費が高い回路として問題となっている。そのような問題を解決するために、定電圧・低消費電力動作であるミキサの一つにBulk Injectionミキサというものが研究されている。しかしこのミキサは低消費電力であるというメリットを有するが、逆に線形性に乏しいというデメリットを持つ。今回私は、線形性を改善するためのDerivative Superposition法という回路トポロジをこのミキサに適用し、試作・測定・評価を行った。