抄録
Si中でAu原子は格子間位置と置換位置を占め,置換金には熱履歴によって高温置換金,低温置換金,置換金集合体の3つの状態がある.900℃での過飽和高温置換金の外方拡散過程(連続回復法)で新しいAu集合体が発生することは既に報告した.今回は,過飽和低温置換金の回復過程(通常回復法)でもAu集合体が発生することが判明したので,高温置換金回復過程で発生するAu集合体との違いについて調べた.その結果,低温置換金の回復過程で発生するAu集合体の場合,含まれるAu原子数の少ないものが多く分布し,全体の発生数は多くなることが分かった.