抄録
根管治療は細菌に感染した歯髄や象牙質を取り除き、清掃消毒することである。歯の根は非常に細く形も複雑で、従来の根管治療では、根管および根尖部の直視が不可能であるため、医者の経験に依存されて判断されている。本研究では,外径570 μmのイメージファイバーを歯根管内部に挿入し、拡大視野を目指している。また画素数は15000であるため、根管壁の観察が可能であり、歯根破折線の走向も確認できることが予想される。 ハーフミラーを介することで、1本のイメージファイバーに、照明と観察の役割を持たせた光学システムを構築する。先端外径が0.6mmと細いため、将来の歯科医療現場で幅広く役立てていただくことが期待する。