抄録
筆者らはこれまで、SF6ガスを中心に、ガス絶縁媒体における部分放電現象や絶縁破壊メカニズムを、放電物理の解明ならびに絶縁診断技術への適用の観点から検討している。これまで、時間・空間分解放電発光分光測定システムを構築し、同一放電発光像を空間的に異なる波長成分に分解して、さまざまな検討を行ってきた。本論文では、N2ガスをSF6に混合し、N2の2nd positive bandの一つの線スペクトルに対応する青波長フィルタおよびSF6のFの解離スペクトルに対応する赤波長フィルタを用いて同時に放電発光像を観測し空間分光した。その結果、SF6ガス単体時よりも発光強度の上昇およびコロナの確認ができ、高感度計測が可能となったので報告する。