抄録
モールド機器では剥離やボイドの存在により絶縁性能の低下が懸念される。この観点から、エポキシ樹脂の固体絶縁システム中に人工的なボイドを生じさせて、その基本的な部分放電挙動を解明する。本研究では、初期電子の不足に起因する放電遅れを考慮して、形状が明確な人工ボイドを有するエポキシ樹脂絶縁システムに対するX線照射効果を検討している。球状ボイドを有する試料においては、X線照射効果が顕著に現れた。本報告では、エポキシ樹脂中に円柱形状のボイドを有する試料を用いて部分放電の電荷量、位相特性について調査を行い、形状の違いによるX線照射効果の有無について報告する。さらに、実験結果に対する理論的検討も行う。