抄録
デジタル図形を構成する点列と正多角形の頂点列との全ての組み合わせについて距離を測り、その距離分布の平均値と中央値から特徴ベクトルを算出し、デジタル図形を認識する手法を考案した。デジタル図形がn個の点列から構成され、正m角形の頂点列との距離を測る場合、計算量はO(nm)であるので軽い。特徴ベクトルの違いを測ることにより、位置・尺度・回転に不変な図形認識を行うことができる。デジタル図形を構成する点列の座標値のみを使うので、非単連結なデジタル曲線にも適用でき、点列の繋がりなどの先見情報や細線化などの前処理は不要の簡素な手法である。