抄録
入所型介護施設の定員に対する在所者の割合は平成20年では全国平均94%に上る。しかし,在所者1人に対してスタッフ1人を雇えておらず,自動見守りシステムの開発が強く望まれている。本研究は介護の現場での利用を目的とし,被験者に対して非拘束に危険発生前の状況を検出するため,居室を対象とした動画像処理による自動見守り手法を考案した。本システムは入口にて背景差分によって抽出された動体の下部特徴を用いる要介助者識別,ベッド付近にて背景差分による警戒区域への侵入検出,ベッド上にてフレーム間差分による起き上がり検出の3つのサブシステムから成る。約4日間の介護施設での動画に対する評価実験から本システムの有効性を示した。