抄録
現在家庭内における電力消費のうち照明の占める割合は比較的高く,蛍光ランプの効率・寿命の改善によって環境問題改善に貢献できる余地は大きい.蛍光ランプの電極には抵抗体が用いられているため放電中に電極内で電位差が生じ,ホットスポット(HS)と呼ばれる高温部分を中心とした急峻な温度勾配が生じている.HSでは電極に塗布されたエミッターを消費しやすく,これが不点灯寿命の主要因となっている.本研究では,放電とは独立に制御可能な外部電流を電極に供給した際の電極温度分布をシュミレーションにより予測し,電極温度の均一化を図れる条件を見出し,高効率・長寿命な蛍光ランプ設計の指針を得る.