抄録
位相共役光発生手法として二重位相共役鏡がある。フォトリフラクティブ(PR)媒質に2本のビームを入射することで、2本の位相共役光を発生する手法である。二重位相共役鏡生成にコヒーレンスの高いレーザ光を用いた場合、不要な屈折率格子が生じ位相共役光発生効率が大きく低下する。これを抑制するために従来は片方のビームの位相を時間変化させコヒーレンスを低下させる手法がとられていたが、光学系の複雑化を招いていた。本稿では、PR媒質自体を振動させることにより簡易な光学系で不要な屈折率格子の生成を抑制する手法を提案する。本手法はホログラフィック光ディスクにおいて位相共役光を利用する場合特に有用な手法である。