抄録
近年、情報通信機器の多様・高性能化かつ小型・軽量化への要求に伴い、機器に搭載されるプリント基板の信号線路の細線化および線間間隔の減少が進んでいる。このような高密度実装化では、信号線路間のクロストークノイズの影響が無視できなくなり、その対策が必要となる。そこで我々は、軟磁性膜で信号線を被膜することによる、磁気シールド効果を利用したクロストークノイズの低減に着目した。具体的には、磁気シールド用の軟磁性膜として優れた軟磁気特性が期待されるFe-Ni膜に着目し、細線上への電解めっきを検討した。本稿では、浴組成やめっき条件が、細線上に成膜したFe-Ni膜の磁気特性に与える影響を検討したので、その結果を報告する。