抄録
P2Pストリーミングにおいて,配信木と呼ばれる木構造のトポロジーを構成しコンテンツを配信する手法がある.この手法は,ノードの負荷を分散し配信することで,高いスケーラビリティをもつ.しかし,現状では多くのノードがNATを介して接続しているため,双方向通信不可能なノードが存在する.このようなノードの割合が多いほど,配信木への参加成功率やオーバヘッドへの影響がある.本稿では,配信木に参加済みノードから新規参加ノードの方向にセッションを張るための配信木構築プロトコルを提案する.実験環境下において,提案手法はNAT越えを考慮した配信木を構築可能であることを示す.