抄録
我々は,音楽により認知症患者や介護者を支援するシステムを開発している.そのうちの1つは,患者が打楽器やタッチパッド,または電子ピアノの1つの鍵を叩いていくだけで,伴奏や他者とアンサンブルができる演奏支援システムである.評価実験を通して,システムの患者に対する有効性を示すことが望ましいが,患者個々の症状,レベル(軽度~重度),本人の興味の対象などは多様であり,さらに患者への身体的な計測の制限も大きいため,容易ではない.本稿では,患者にシステムを利用してもらった事例を紹介し,本研究の目的に合うシステムの開発・評価方法について検討する.