抄録
西日本系統は、系統連系間広域動揺の発生が確認されており、その不安定性が問題となる可能性もある。著者らは、全国各地の大学に小型の位相計測装置を分散設置することにより、広域動揺の観測を行ってきた。一方、電力会社も、位相や電力などの各種データの収集が行われており、このデータからも広域動揺の発生が確認されている。本稿においては、九州工業大学、名古屋工業大学間の広域位相差データ及び、九州電力(株)より提供された関門連系線潮流データを用いて、電力系統の動特性解析を行い、広域動揺の慣性、制動、同期化力定数を推定し、季節ごとや、1日の各時間における、これらの推定値と電力需要との関係性も示している。