抄録
電力系統は、供給信頼度および経済性の向上を図るため、複数地域の電力系統が連系され、広域運用が実施されている。西日本の60Hz系統は、東西に長く伸びたくし形構成となっており、弱制動の特質を有する周期2~3秒の長周期動揺の発生が特徴となっている。そのため、系統間動揺の抑制を目的とした系統安定化装置の設計手法がこれまでに検討されている。本稿では、2地点の位相情報を観測し、系統状態を反映する低次系統モデルを構築する。この低次系統モデルにLMIによる解法を適用し、時々刻々と変化する系統状態においてロバスト性をもつPSS定数の決定方法を検討する。