抄録
我が国は、安定的な電力供給システムを実現しているが、分散電源の増加や系統連結、自然エネルギー利用発電などの不確定要素の増大から、系統の安定度は今後厳しくなる可能性がある。既存の送電システムを有効利用し、系統の安定度向上を図る装置として、電力用高速位相器(UPFC)がある。
従来のUPFCにおける電力変換部は、コンバータとインバータの組み合わせにより構成されており、変換時の損失や小型化が課題として挙げられている。
そこで本研究では、電力変換部を直接AC-AC変換できるマトリックスコンバータに置き換えた、モデルを提案し、その制御器設計を行い、シミュレーションを用いて有効性を確認したので報告する。