抄録
近年,心臓ペースメーカー(以下,「PM」)の使用者は年々増加している.そのため,PMを植え込んだ人体において感電時における体内に流れる電流の振る舞いの解析は有用であると考える.
我々の研究目的は,他機関で開発された解剖学的に詳細な人体詳細モデルと我々が独自に開発した修正SPFD法を用いてPM植え込み時における人体接触電流の変化の解析を行うことである.
本稿ではPM絶縁線の位置及び血管と絶縁線の直径比を変更した場合における解析を行い,絶縁線の血管内電流への影響を調査した.影響無しという結果が得られた場合は,今後人体詳細モデルにPMを模擬する際絶縁細線を考慮する必要がなくなる.