抄録
【目的】椅子の着座面に圧電センサを配置して測定された振動信号より,心拍信号を抽出することを試みる.【方法】被験者として20名の健常男性を用い,着座面に圧電センサを配置した椅子に開眼安静状態で着座させた.10秒間以上の安静状態を確認したのち,20秒間の呼吸停止状態を維持させ,合計30秒間の振動信号を被験者1名につき5回測定した.得られた振動信号から(対象)心拍間隔を抽出し,同時測定した心電図から抽出した(参照)心拍間隔と比較した.【結果】対象心拍間隔と参照心拍間隔との二乗平均平方根誤差は12.1±17.0msであった.【考察】圧電センサにより得られた心拍信号は,心電図から得られたそれの代替となる可能性が示唆された.