抄録
前腕の回内回外運動とは,肘を90度に屈曲させ,前腕を内側と外側に交互に回転させる運動であり,発達の一部に遅延が見られる症状の総称である発達障害の診察所見の1つである.しかし,この神経学的微細徴候の診察所見には,医師間における評価が一定せず,医師の診断の個人差が大きいという問題点がある.そこで,我々は,3軸加速度・角速度センサを用いて,神経学的微細徴候の1つである前腕の回内回外運動を客観的かつ定量的に評価するシステムを開発した.本論文では,このシステムを用いて,児童の回内回外運動を計測した結果について報告する.