抄録
コンクリート構造物に電波を照射し、散乱波を観測して媒質定数を推定することにより内部構造を可視化する手法は直観的かつ高精度なコンクリート診断法として期待されている。その推定は逆散乱問題と呼ばれ、最適化問題に帰着して解く手法がよく使われる。しかし、最適化の目標関数が非線形で複雑であり、推定の対象となる媒質定数の数が多い場合では、最適化アルゴリズムがローカルミニマムに陥って失敗するケースが非常に多い。本研究では媒質定数を逐次的に推定する手法を考案し、高速で高精度かつ確実なコンクリート診断法の開発を目指す。今回は層状媒質について手法及びその有効性を示す。