抄録
セルラー移動通信において静止環境や歩行程度の低速移動環境下での通信が急増している。このような環境下では自ら走行する場合とは異なり、周囲の環境変化によって伝搬変動を受ける。屋内環境下で端末が静止している場合に周囲の環境変化を与えるパラメータ(人)を直接考慮できる新たな伝搬モデルが提案されている。提案モデルでは、運動体である人を直径の2次元円盤(円柱)とし、端末に到来する電波を完全に遮断し、すべてを吸収する「完全吸収体モデル」を仮定している。
本報告では、人物が存在する場合の電波減衰特性についての実験結果と数値計算との比較と検討を行う。