統計的文字構造モデルにおける類似文字認識手法の提案

抄録

統計的文字構造モデルを用いた文字認識は，文字を構成するストロークの構造に着目し，かつ，ストロークの存在位置を確率的に表現する文字モデルを利用した，新しい文字認識手法である。しかし，「大」と「太」などのような類似文字の認識について問題があるという報告がされている。本研究では，統計的文字構造モデルの考え方を利用した類似文字認識手法を提案する。提案手法では，統計的文字構造モデルによる文字表現方法に基づいて，類似する２文字のどのストロークが，両文字を判別する重要な手がかりになるかについて学習する。その学習結果を統計的文字構造モデルに反映し，類似文字認識の際に重要なストロークのみに着目した判別を実現する。