抄録
放電により生じる活性種等の種子への照射が植物の成長に及ぼす影響をコンビナトリアル的に調べた結果を報告する.実験では10個のかいわれ大根の種子を電極下方に水平方向に5mm間隔でガラス板上に配置し,大気圧下で180秒プラズマ照射を行った.ガス検知管を用いて,放電により生じるオゾンと窒素酸化物の濃度の空間分布を計測した.照射後の種子は暗室で純水を用いて栽培した.かいわれ大根の成長速度が最大となるのはプラズマからの光や熱等の影響が小さい位置となった.電極直下で成長速度が最大とならないのは,成長促進と成長抑制の両方が同時に作用している可能性が考えられる.