抄録
三つの周波数でそれぞれ違った偏波を放射するスパイラルアンテナを紹介する。ダイポールアンテナの周囲にクロススパイラル(CSA)形状の無給電素子を配置することで、円偏波と直線偏波を三周波で共用できるアンテナをこれまで発表してきた。本論文では、本アンテナをRFID、GPSおよび携帯電話の周波数帯に調整する手法を紹介する。提案手法を用いた結果、RFIDバンドである920MHzにおいて両方向直線偏波を、GPSバンドである1.575GHzにおいて円偏波を、携帯電話バンドである1.8GHzにおいて直線偏波を放射し、これらのすべての周波数帯において10dB以上のリターンロスを達成した。また、円偏波軸比は、3dB以下の円偏波軸比を達成した。