抄録
日常生活において,音声はコミュニケーションをおこなう重要な手段の一つである.音声には,ホルマント周波数と呼ばれる重要なパラメータが存在する.ホルマント周波数を聴きとりその情報を脳に送ることで我々は音声を認識することがきる.このとき,難聴や雑音などの要因によりホルマント情報の伝達が阻害されることで音声の明瞭度が低下することがある.そこで,我々はホルマント周波数を強調することにより音声明瞭度を向上させる音声補聴処理システムを構築した.
本講演では,構築したホルマント強調による音声補聴処理システムを示し,様々な音声サンプルや聴力特性を用いたシミュレーションにより動作の検討を行う.