抄録
筆者らは,これまで声を出さずに,表面筋電信号(surface electromyogram:SEMG)を用いて,母音を認識するシステムを開発してきた。認識率を高めるために,母音の訓練を行うシステムを開発し,評価を行った。訓練を重ねることで認識率は向上したが,意識した発話を行う必要があるため,初めて計測する人の認識率は,60%前後とやや低い結果が得られた。そこで,従来よりも,意識せずに認識できるように電極の位置を再度検討したが,筋電信号だけでは,/i/と/e/の発話を区別することが難しかった。そこで,一部を加速度センサに変更して計測を行い,表面電極と加速度センサを組み合わせて,無発声母音認識の評価を行った。