2018 年 53 巻 3 号 p. 603-609
総合リユース店舗では,限られたスペースで利益を増やすために,商品棚の並べ方,すなわちレイアウトがしばしば複雑なものとなる.複雑化したレイアウトは,空間的に見えにくい箇所をつくり,結果として万引きを引き起こすこととなる.本研究の目的は,総合リユース店舗における万引きと店舗レイアウトの関連を明らかにすることである.私服保安員へのインタビューを通じて,商品特性やレジからの可視性に関わる変数が見出された.これらの変数について11の実店舗内で測定,POSデータをもとに算出した商品ロスの情報と統合した.店舗間・店舗内の差異を同時に考慮した一般化線形混合モデルによる分析の結果,レジからの監視の重要性,および万引きを誘発する商品特性が明らかになった.