抄録
構音障がいは,正常な発話をすることができない症状を指し,さまざまな発話障がいを引き起こす.臨床やリハビリの現場では,構音障がいの代表的症状である音素の置換・省略・歪み等の音声現象について,医師や専門家が聴覚判断で主観的に診断を行っているのが現状である.本研究では,構音障がい音声を客観的に評価するため,音声特徴の可視化と障がい程度の定量化による診断支援ツールの開発を行っている.
本講演では,その診断支援ツールにおける母音構音の特徴について,種々の障がい音声の特徴を検討し,診断尺度としての精度の検証を行う.