抄録
生体磁気計測や電子線描画はSN比の向上および描画精度の向上を目的として自動車やエレベータなどの磁性体の移動に起因する環境磁気ノイズ等を低減する磁気シールドルームが用いられる。これらの磁気シールドルームは強磁性体の複数のシールド層で構成されおり、換気や配線・配管のためにいくつかの開口部が壁および床に配置される。しかしながら、それらの開口部から環境磁気ノイズが磁気シールド内部に漏洩し、漏洩磁界の影響が開口部付近から磁気シールド内部まで及ぶことが懸念される。 そこで本研究では、2層の磁気シールドルームの開口部に設置するダクトの最適設計を目的として、有限要素法を用いた3次元磁界解析を行った。