抄録
安全基盤の確保への要求が高まる中、原子力発電所の長期モニタリングの要求は高まっている。運転中の長期モニタリングを行うためには高温中でセンサーを使用しなければならず、特に異常発生の際には圧電材料のキュリー点を超えるために運用は困難とされてきた。そこで、圧電複合体PZT/PZT 膜の耐熱性を調査した。具体的には耐熱性の高いTi基板上に作製したPZT/PZT 膜を、焼成炉により異なる温度で1時間ずつ加熱し、その後基板からの超音波反射エコーをオシロスコープにより室温にて測定した。その結果、Ti基板が完全に酸化する前の900℃までの加熱後にもPZT/PZT 膜からの明瞭な超音波反射エコーが確認された。