抄録
オーディオの歴史は古く1857年 Édouard-Léon Scott de Martinvilleによって音を記録する手法が発表されて以後,Thomas A. Edison,Emil Berlinerなど様々な研究者により録音,再生の技術が確立されてきた.周知のように,1927年8月Harold S. Blackによる帰還増幅器の発明は,増幅器の性能を飛躍的に改善した.一般的な音響装置では,マイクロホンとスピーカを用いて音響・電気・音響信号へと変換している.従って,マイクロホンとスピーカは,共に音響装置として極めて重要となる.本稿では,スピーカ端子から見たインピーダンスの周波数依存性について実験的に検討した.その結果,共振と反共振周波数が存在し,スピーカインピーダンスは,明らかに機械系を含んだ形で振舞うことを確認したので概要を報告する.