抄録
長期航海を行う貨物船は,積載してきた荷物を下ろすと航行が不安定になるため,荷物の代わりに現地の海水を船底に補充して帰港する。この海水をバラスト水という。バラスト水には様々な生物が混入しており,帰港後に廃棄する際には,その海域に生息しない生物も排出することになり,生態系や人間の健康,経済活動などへ影響を与えることが懸念されている。我々はオゾンを用いたバラスト水殺菌処理技術に着目しており,本研究では,圧力スイング吸着法(PSA法)を用いて,オゾンと共に排出される酸素をリサイクルすることによって,オゾン生成に必要なエネルギー効率を改善し,省エネ・低コストでのオゾン生産を試みたので報告する。